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「ニノン殿は、ハンターギルドの腕利きの者だそうです。今後、ウルタニアを基点として女の捜索に当たりたいとのこと。」
ニノンの横に回ったモゼスがこちらを見て言った。
「すると君はハンターなのか?」
「ええ、そうでございますよ。そのようには見えないかもしれませんけど。」
ニノンはそう言うと、ふふ、と声を出して笑った。
フーゴはすっかり驚いてしまっていた。目の前に居る小柄で物腰も柔らかい女性がハンターだとは、彼には考えられなかった。
そしてフーゴは、この女性ならばシルヴィアについて何か知っているかもしれないと思った。シルヴィアについて、フーゴは少なからず特別な感情を抱くようになっていた。恋愛の類ではないだろうが、時に同情を超えた何かを感じることがある。
そのような彼女のことを何も知らないままに捕らえられたのでは、フーゴとしても納得がいかなかった。
「シルヴィアはどうしてこのように指名手配を受けるはめになったのだろうか?
君が知っているなら、教えてくれないか。」
ニノンはうつむき加減に首を振った。
「いくらフーゴ殿のお頼みといっても、それはお答えできませんわ。
しかし、一つだけ言えることは、彼女は必ず捕らえなければいけない存在だということ。」
「捕らえて、どのようにしようというのだ?」
「それは、刑に処するのみでございますよ。」
落ち着いた語調で、ニノンは淡々と答えた。
「それはさておきまして、フーゴ殿はシルヴィアにお会いしたことがあるのですよね?彼女がどこへ向かったか、聞いておられますか?」
「いや、私は聞いていない。
実は先程彼女の様子を見に行ったのだが、その時初めて彼女が居なくなっていることに気づいたのだ。」
「・・・そうですか。しかしそれならば、まだウルタニアから離れた場所にはいないはずです。フーゴ殿のご許可がいただければ、すぐに捜索に取りかかりますわ。」
フーゴは、少し考えた。ニノンのウルタニアでの活動を許可するのに、ためらいを感じたのだ。
彼にはシルヴィアが悪人だとは、どうしても思えなかった。彼女に対する個人的な感情もある。
しかし、ここでフーゴが怪しい動きを見せたのでは、再び王国から猜疑の目を向けられる可能性があった。ニノンの雇い主が王国なのは明白である。
「許可しよう。」
フーゴがそう言うと、ニノンは再び微笑みをこちらに向け、礼をした。
そして、モゼスと共に部屋から出て行った。
ひっそりとカウンター置きましたw